オートツ工法



景観石積補強(オートツ工法)は、従来の空石積みや練石積み、モルタル工法と比較して、強度・排水性・景観保持のバランスに優れた補強技術です。従来の空石積みは、見た目の美しさや自然との調和が魅力ですが、経年劣化や地震・豪雨などの影響で崩壊のリスクが高まることがあります。
オートツ工法では、特殊な補強材を用いて石積みの内部を補強し、強固な構造へと改良します。
これにより、既存の景観を保ちながら、安全性を向上させることが可能です。新たに擁壁を作り直すよりもコストを抑えながら補強できるため、公共工事や民間工事問わず、幅広い現場で採用されています。

地震・豪雨等の自然災害や経年劣化による裏込め土流出、水圧が石積みの主な崩壊原因と推測されます。現況景観を保ちつつ強度を確保するため、石積み背面空洞部にBs材を圧入・充填し基面整正。特殊排水パイプとKm材の厚塗りで恒常的排水と強度向上を図り、石積みの長期安定を実現します。



オートツ工法の特徴

従来の施工より長持ち

従来の空石積みは、経年劣化により目地から雨水が侵入し、背面土砂の流出や空洞化が進行することで、強度が低下しやすくなります。オートツ工法では、石積みの表面から特殊補強材(Bs材)を圧入充填し、内部空洞を埋めることで、耐久性を向上させます。さらに、基面整正を施し、雨水排水道を形成することで、排水機能を確保し、長期的な安定性を実現します。

景観を損なわない

従来の補強方法では、コンクリート及びモルタル等の打設により元の景観が変わってしまうことが課題でした。しかし、オートツ工法では、既存の石積みの外観をそのまま活かしながら補強が可能です。表面の目地や開口部から補強材を注入するため、施工後も自然な風合いを維持できます。歴史的建造物や景観保全が求められる地域でも有効な補強方法です。

トータルコストが安くなる

新しい擁壁を構築する場合、大規模な工事が必要になり、多くのコストがかかります。しかし、オートツ工法なら既存の石積みを補強するだけで済むため、工期の短縮とコスト削減が可能です。また、補強後の耐久性が向上することで、将来的なメンテナンス費用も抑えられるため、トータルコストの削減につながります。

地震・豪雨災害に強い

地震や豪雨では、背面土砂の流出や滞水圧力の影響で石積みが崩壊するリスクが高まります。オートツ工法は、特殊排水パイプを適切に設置し、雨水を適宜排出できる構造を形成。滞水圧力の軽減と水はけの向上が可能になり、災害による崩壊リスクを低減。さらに、石積み接合部にKm材を厚塗することで、石同士の結束を強化し、長期間にわたり安定した強度を維持できます。

Before


このような不安箇所をオ-トツ工法で…

After

表面だけでなく最深部まで補強!
河川護岸、海岸護岸で培った公共事業の技術で、安心・安全を守る補強技術!!

従来施工との比較



結合材の使用


【空石積み】
結合材を使用しないため、石と石の間に隙間ができ、経年劣化が進みやすい。
【練石積み】
コンクリートなどの結合材を使用し、強度を確保するが、自然な景観が損なわれやすい。
【オートツ工法】
特殊補強材(Bs材・Km材)を使用し、既存の石積みを強化しながら景観を維持する。

強度


【空石積み】
耐久性が低く、地震や豪雨の影響を受けやすい。
【練石積み】
強度は高いが、施工に時間とコストがかかる。
【オートツ工法】
 既存の石積みの強度を向上させ、長期間の安定性を確保できる。

排水性


【空石積み】
 石と石の間に隙間があるため、排水性が高いが、背面土砂の流出による空洞化が進みやすい。
【練石積み】
コンクリートの使用により排水性が低くなり、内部に水が溜まりやすい。
【オートツ工法】
雨水排水道を形成し、適切な場所から水を排出することで、背面の水圧を軽減し崩壊を防ぐ。

景観


【空石積み】
自然石の形状を活かせるが、経年劣化による崩壊リスクが高い。
【練石積み】
コンクリートを使用するため、自然な景観が損なわれる可能性がある。
【オートツ工法】
既存の石積みをそのまま活かし、補強後も自然な景観を維持できる。

施工のしやすさ


【空石積み】
比較的容易に施工できるが、長期的な強度には不安がある。
【練石積み】
施工が難しく、専門技術が必要となる。
【オートツ工法】
既存の石積みに特殊補強材を注入するだけのため、比較的容易に補強が可能。

費用


【空石積み】
安価に施工できるが、維持管理のコストがかかる。
【練石積み】
強度は高いが、施工費用が高額になる。
【オートツ工法】
比較的安価で施工可能であり、長期的なメンテナンス費用も抑えられる。

主な用途


【空石積み】
庭園や水路など、比較的小規模な場所に適している。
【練石積み】
ダムや大規模な擁壁など、強度が必要な場所に使用される。
【オートツ工法】
擁壁の補強をはじめ、耐久性や景観維持が求められる現場で活用される。

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